ウィルだよ!

ウィルだよ!

2014年12月30日火曜日

皆さん、良いお年を!

本日、今年の診療を無事終わらすことができました。
今年は私にとって、とても大きい変化の年でしたが、
ここまでやってこられたのは、支えてくださった皆さんのおかげです。
本当に、ありがとうございました。

今年の最後は、本のご紹介で締めたいと思います。
私は現在、日本獣医中医薬学院の研究科に在籍していますが、以前同級生の先生に素晴らしい本を紹介していただいたので、こちらで書かせていただきます。

エリザベス・キューブラー・ロス著
「死ぬ瞬間」と死後の生

という本です。
タイトルだけ見ると、少しとっつきにくい印象かもしれませんが、
内容は「死」というものを通して、「どう生きるか」という「生」について、
わかりやすい言葉で書かれています。
大事なことがあちこちに書かれているので、全て横に線を引きながら読みました。

その中でも特に私の心に残った部分を抜粋します。

「人生のただひとつの目的は、精神的に成長するということです」

「限りある命をどう生きたかということに関しては、全部自分に、自分だけに責任があります」

「私たちが何をするかは重要ではないということもわかります。ただひとつ重要なことは、やるべきことをいかにやるかです。そして大事なことは、愛をもってそれをやるということです」

「われわれ人間は、理解できないものには何でもレッテルをはらないと気がすまない習性があります、私たちの知らないことは、まだたくさんあります。だからといって、それらが存在していないということにはなりません」

「もし皆さん(治療家を指して)が世の中を癒したいのなら、まずこのことを理解してください。自分自身を癒さないかぎり、世の中を癒すことはできません」


この筆者は末期患者と向き合う医師で、その体験を世界の治療家に向けて講演していました。
この本には動物のことは一切出てきませんが、私は読んでいて、これは動物にも通じることがたくさんあるぞ、と感じたのでした。
そして、治療家である獣医師にとっても、大切なこと(自分自身を癒さない限り〜の部分)を教えてくれます。

この本では、死の準備ができている患者を、この世に留めているのはまわりの人間だと語られています。
 「死」というものを意識し、受け入れられた患者たちは、例えどんなに小さい子供でも、大人より多くのこと悟り、自分の人生を全うしようとするということです。

私たちは、ふだん「死」ということをあまり気にかけません。
でもそれは誰にでもやってくるものです。
人と一緒に暮らしている動物は、私たちのもとにやってきてから、長くてもだいたい20年もすれば先に死んでいきます。
私たちは、そこから、多くのことを学べると思うのです。
特に動物は、目の前の「生」に一生懸命です。精一杯生きて、病気も死も、静かに受け入れます。
今日一緒に元気に過ごせても、明日は違うかもしれない。
そう思うと、今日この日を、とても大事にできる気がしませんか。

動物と暮らすということは、私たちがどう生きるかということと密接に関わっていると思うのです。
そして、鍼灸治療のもとになっている中医学(中国医学)は、自分と向き合う、丁寧に生きるということに関して、勉強していてとても考えさせられる分野です。

そんなことを考えながら、今年は過ごしてきました
来年も、謙虚な心を忘れず、毎日を大切にしながら、患者さん、飼い主さんと向き合っていきたいと思っております。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。









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