ウィルだよ!

ウィルだよ!

2018年9月24日月曜日

おうちの子が病気や寝たきりのとき。

若くして、病気になる子もいる。どんなに治療を施しても、あっという間に亡くなる子もいる。
一方で、とくに気を遣ってもらっていないような生活をしている子でも、「病気ひとつせずピンピンコロリでした」という子もいる。歳をとって、寝たきりになって、それでも生きる子もいる。
病気かそうでないか、どれだけ長く生きたか、そういうところにばかり囚われてしまうと、おうちの子が、とても不幸に思えてしまうこともあるでしょう。
なんでうちの子が、こんなに大変な思いをしなくてはならないんだろう、うちに来なければもっと幸せになれたのではないかと思ってしまうでしょう。
(もしくは、ただ可愛がりたかっただけなのに、こんなに大変な思いをするなんて思ってなかった、という人間都合の考えをもっている人もいるでしょうが・・・)

どの子が一番幸せかなんて、私たちにはわかりません。
手をかけて心を尽くしていても、病気になるときはなるし、死ぬときは死にます。
ですから、今の状況下で、精一杯可愛がってあげて、食べられるものをあげて、その子なりに楽しくおいしく、その子の寿命を生き切ることを手助けしてあげること、それに尽きると思います。

何が正しいかなんて、時代にも、生まれた国にも、世間にも、家族によっても違います。
歩けなくなったら安楽死という国がある。
でも、歩けなくなっても元気で食べられて、カートでお散歩に行って、その子がイキイキした表情をしているならそれでいいじゃない、という人もいる(私です)。
人間が代わりにやってあげられる範囲を、人間の方が苦痛でなく破綻することなくやってあげられるなら、それで良いと思います。

幸運なことに、犬猫は、(人間ほどは)悲観的になることはありません。
もちろん生まれつきの気質(性格)はありますが、飼い主さんが笑顔でそばにいてくれたら、そして、適度にお散歩して、適度に食べられたら、きっとそれだけで十分幸せです。

病気の子の面倒をみていくことも、介助も介護も、「あなたならできる」と言われているから、そういう子がおうちに来るんだと思います。
それが神様なのか、自然の力なのか。それはその人の信じるものによりますが、必ずそういう力が働いていると思います。
そして、動物たちが自分たちの体をもって、短い寿命をもって、私たちに教えてくれることを、感謝の気持ちをもって学ばせてもらうことです。

これは、正答のない試験と同じです。
精一杯勉強してひねり出した自分の回答が、合っていたのか間違っていたのか、発表されることのない試験問題と同じだと思います。受験の場合は合否が出ますが、動物のお世話の場合はそれがありません。だから苦しくなることもあります。
でも、自分ができる限りのことをして試験に臨んだら、きっと合否がわからなくても、「自分はこれだけやった。やりきった」という達成感が残るでしょう。それは、他人から評価されなくても、自分の中には確実に残るもの。
そして、愛の心をもって動物のお世話をすれば、必ずそれは動物にも伝わります。「こんなにしてもらった。ありがとう。」という気持ちで過ごしていけるし、亡くなるときもそうでしょう。

もし一人で苦しくなったら、相談できる人を見つけてください。動物病院が一番の相談相手になれればよいですが、トリミングサロンでも良いし、ドッグトレーナーさんでも良い。そうでなければSNSでともに苦労している人を見つけて語り合うのもよいかもしれません。
ただ、SNS上の人たちは、ほとんどが、自分と同じ、「アマチュア」な人たちだということには注意です。中には自分の犬猫でうまくいったことを善、うまくいかなかったことを悪と、世界でも通用する基準かのように載せている人もいますから、信じすぎるのは要注意です。余計苦しくなってしまうことがあります。やはり、信頼できる専門家を探すのが良いと思います(それも、複数。)

私もこれから、ウィルどうぶつクリニックを「卒業」していった患者さん・飼い主さん(なんかAK〇みたい。笑)と、今まさに闘病中の飼い主さんたちをつなぐお手伝いができたらよいなぁと考えています。状況は違っても、きっと分かち合える気持ちがたくさんあると思います。

皆ができるだけ穏やかに、楽しく美味しく過ごせますように。


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