ウィルだよ!

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2019年5月31日金曜日

ウィルどうぶつクリニックの鍼灸ブログ 第二回

こんにちは!

4月5月はクリニックにたくさんの方々が来てくださり、毎日てんやわんやでなかなかSNSなどもアップできず・・・

3月に第一回目を配信しました「ウィルどうぶつクリニックの鍼灸ブログ」
やっと第二回を書くことができました(;^_^A

第二回目は
「鍼灸って本当に効くの?」
です。

結論から申し上げますと、「効きます」。

・・・と言われても、「何に?」ってなりますよね(笑)

そうなんです。
これは、皆さんが鍼灸に求めていることが何かによって、答えが変わってくるんです。

動物の鍼灸治療というと、
「椎間板ヘルニア」とか「腰痛」とかを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

たしかに、鍼灸治療はこういったものにはよく「効きます」。
もしかしたら、
「鍼灸治療でこんなに良くなりました!」という
ミニチュアダックスちゃんのビフォアー(両後肢麻痺で歩けない様子)⇒アフター(元気よく走っている様子)の画像や動画などをネットやテレビなどで見たことがある人もいるかもしれません。

たしかに、ミニチュアダックスさんたちの椎間板ヘルニアには、鍼灸治療が良く効くように思います。
クリニックでも、今まで何頭もミニチュアダックスの子たちが後肢麻痺や腰痛で鍼灸を受けてくださりましたが、ほとんどの子が良くなってくれました。

そういう情報で、「鍼灸で治る!」と思われてご来院される方もいらっしゃるので、
私は必ず前もって、
「どんな症状も病気も、鍼灸で完全に元通りに戻すわけではありません」
「ですから、〇〇回で良くなりますとか、はっきりしたことは言えないんです」
という旨を伝えさせていただいています。

どういうことでしょうか?

前回、第一回のブログで、「鍼灸の究極の目的は気の流れを調(ととの)えること」と書きましたが、
鍼灸というのは、「患者さんの持っている気の流れを調整してあげることで、患者さんが自ら元気になるのをお手伝いする」方法なのです。

もし、長患いをしたりしていてものすごく「気」を消耗してしまっている場合は、
食事や漢方なども併せて、気を補ってあげること、そして鍼灸で気を巡らしてあげることで、ようやく見た目も元気になってきます。
ただ、それには時間がかかる場合もあります。

鍼灸でせっかく気の流れを良くしたとしても、良くない生活習慣(ワンちゃんの場合は、例えば食べすぎ、過度な偏食、運動を全くしない、フローリングの上で滑っている等)を続けていれば、またからだは元の状態にすぐに戻ってしまいます。


また、鍼灸を受けに来てくれる子たちの多くは高齢のことが多いので、
高齢のワンちゃんネコちゃんたちは、私たちが思っている以上に速いスピードで歳をとっていきます。
その中で鍼灸をして、少し調子を上げてあげられても、何もせずまた1か月、2カ月と過ごしていたら身体はどんどん歳をとっていますので、また不調が出てくるでしょう。


ですから、
鍼灸というのは施術者におまかせして「元気にしてもらう」治療法ではなく、
「自分で自分のからだを維持するためのお手伝い」なのです。
(鍼灸を行うペースなどについては次回お話します)

そんな中でも、今まで鍼灸治療をしていて、こちらも信じられないような効果をみせてくれる子たちもいます。それも、少数でなく。
例えば、

・後ろ半身麻痺だったのが、3回くらいの鍼灸治療で歩けるようになった(早い子だと1回でも立ち上がり始める)

・四肢麻痺だったのが、立って歩いたり走ったりできるようになった

・全く食欲がなかったのに、鍼灸をしたらどんどん食べ始めた

・西洋医学的な検査では何も悪いところがないのに吐き続け、どんどん痩せてきたが、鍼灸を始めて体重も増え、毛艶も良くなった

・毎年皮膚のかゆみで抗生物質やステロイド漬けだったのが、鍼灸と漢方で維持できている

・膝関節や股関節の脱臼で度々歩けなくなっていたが、鍼灸をしてから快適に歩けている

・寿命が近づいている子たちで、鍼灸をしたら不整脈や呼吸の乱れが落ち着いた

などの効果を、私も体感しています。
動物の不思議なところで、鍼灸に対する反応がとても良いのです。

もし、16歳のボーダーコリーの子が、
椎間板ヘルニアや股関節形成不全、膝関節の関節炎などで、何度も立ち上がれなくなったところを鍼灸で治療し、
そのたびに立ち上がれるようになったとしたら、どうでしょうか?
もし人に例えたら、90歳以上のおばあちゃんが足が痛い痛いと泣いて立てなくなったけれど、
1回の鍼灸でまた立ち上がれるようになり、歩き始めたようなものです。けっこうミラクルですよね。笑

なんでも人に例えるのはいかがなものかとは思いますが、実際にこういうことが起こっています。

ただ、そのようなミラクルは私が起こすわけではなく、古来から伝わる叡智の結晶である中医学と、連れてきてくださる飼い主様たちと、がんばっている動物たちの息がぴったり合ったときに起こるのだと感じています。

鍼灸は、決して不老不死の薬ではありません。

本当は、皆同じくらい元気にしたり歩けるようにしたりしてあげたいけれど、悔しいことにやはり個体差があります。
私の施術でうまくいかなければ、他の先生を探してもいい。
鍼灸でなくても、他の方法で元気になれるなら、それでもいい。

でも、鍼灸が、診断と手技を間違えさえしなければ絶対良いものであるという自信があるからこそ、
1日にできる件数は限られてしまいますが、ご予約制にして時間を十分にとって施術しています。
そして、日々の治療が私の修行の場でもあり、いつも、「良くなってね」という気持ちで行っています。

鍼灸の効果、少しでも伝わったでしょうか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は、「鍼灸を始める最適な時期・ペースは?」です^^

また読んでくださいね☆


2019年3月4日月曜日

ウィルどうぶつクリニックの鍼灸ブログ 第一回

こんにちは^^獣医師の青木です。

3月から不定期で、鍼灸治療に関して 皆様から疑問やご相談を受けることが多い内容について記事を配信していきたいと思います。


私が学生の頃に中医学(中国医学)を志し、勉強を始めてから今月で満10年になります。

思い返してみると、当時大学でも東洋医学に関する授業など一切無い中で、研究室の研究よりも夢中になっていたのが懐かしいです(笑)

現在鍼灸治療を受けている患者さまも、受けていない方も、人も動物も共通の内容が多くなっています。

ぜひ読んでみてくださいね^^

1回は「鍼灸治療はだれに必要か」です。
ご存知の通り、鍼灸(しんきゅう)は、

鍼(はり)お灸(きゅう)を使って中国医学(正式には中医学と言います)を実践する治療法です。

詳しくは次回以降順にお話しようと思いますが、

かなり簡潔に言うと、鍼やお灸で「気」の流れを調節してあげる方法です。

治療を受けたことのない人は、「気」なんて聞くと、そんなのおまじないのようなものなんじゃないの?と思われるかもしれません。

ですが、鍼灸こそ、現代の医療に必要なものだと私は強く思っています。

そして、極論な言い方ですが、鍼灸の必要のない人や動物はいない、と言っても過言ではないと思います。

だれでも、
「病院に行くほどではないけれど、今日はなんとなく調子が悪い」
とか
「私はずっと冷え性で」
とか
「緊張したりストレスを感じるとすぐにお腹にくるんです」
 というようなことがあるでしょう。

それを放っておいても特に生活に支障がでるほどではないかもしれませんし、
気づいたら何もしなくても良くなっている、ということもあるかもしれません。

それは、私たちのからだに、いわゆる「自然治癒力」というものがあるからです。
からだが良い状態を保てるように、意識しなくてもバランスをとってくれる力です。

それが、個人(個体)のからだの中でバランスをとりきれなくなったとき、いよいよ外からの手助けが必要になる「病気」という状態になるわけです。

ただし、一般的な医療(西洋医学)で検査をしても、なかなかはっきりした原因がわからない、データ上は問題ないのに不調だ、という状態もあると思います。

中医学ではそれを「未病(みびょう)」と呼びます。

 こういった不調は、わたしたちのからだからの、
 ちょっとバランスが崩れています。何かしらの対処が必要です
という「お知らせ」です。

もし、お薬を飲んで、すぐに良くなる軽い不調だったら、それでも良いでしょう。
ただ、お薬を切れない、切ると調子が悪くなる、そういう時は、どうしたらよいでしょうか。

そんな時に鍼灸治療の出番です。

鍼やお灸でツボ(経穴)に刺激を加え、からだの中の「気」というエネルギーを動かしてあげます。

「通即不痛」「不通即痛」(気が通っていれば痛みは感じません、気がかとっていないと痛くなります)という中国の言葉がありますが、まさに、気の流れを良くしてあげるのが鍼灸の目的なのです。

 ですから、からだからのお知らせに意識を向けて、もし、どこか不調があったら、何かしらの手助けをしてあげる。

それが鍼灸でも良いし、整体でも良いし、適切な運動でも良いし、もしかしたら気晴らしや十分な睡眠だけでもからだに与えてあげるだけで良くなるかもしれない。

 そんな風に、自分には何が合うのか、どこが弱いのか、自分のからだとこころの歴史を振り返り、向き合っていくのが中医学だと思います。

鍼灸がだれにでも必要と言ったのはそういうわけです。

とくに動物は、
自分で「ここが具合が悪い」「今日はけっこう調子が良いんだよ」など言えないので、検査検査、お薬お薬・・・となりがちです。
もちろん、必要な検査やお薬はあります。適切な医療を受けるために大切なことです。

 ただ、具合がすこぶる悪くなってから(つまり、自分だけではもうどうしようもないくらいバランスがとれなくなっている状態から)治療を受けるよりも、
 日頃から積極的に気の流れを良くしてあげたり、弱い所を補ってあげる方がどうぶつにとっても健康的ではないでしょうか。

とくにどうぶつは人よりも寿命が短く、はやく歳をとっていきますので、鍼やお灸のようなやさしい治療は向いていると思います。

中でも高齢のワンちゃんネコちゃんは、放っておけばどんどん「気不足」という、エネルギー不足になっていきます。

鍼灸は治療ですが、施術する方が「治してあげる」という上から目線なものではなく
手助けしてあげる」という、なんというか、そっとしたものだと私は思います。

ですから、治療に対する反応もその子その子によって違います(これはまた次回以降にお話しします)

わたしはこれからも、「元気でいようとするどうぶつのお手伝い係」でいられたらいいなぁと思っています。



私なぞ中医学の奥の深さに足を踏み入れたほどのまだまだの状態ですが、これからも勉強し続けようと思っています^^

日々進化を心がけていますので、ブログの内容も、少しずつ言葉が変わっていったりするかもしれませんがそこはご容赦くださいね。

次回は「鍼灸って本当に効くの?!」です^^

お楽しみに

2019年2月22日金曜日

4周年を迎えました☆

こんにちは。

また久しぶりの更新になってしまいました。

おかげさまでウィルどうぶつクリニックは2月20日4周年を迎えました!
オープンしてからウィルの死、2度の出産や、入院などいろいろありましたが、ここまで来られたのは本当に支えてくださっている皆様と通ってくださっている患者さまのおかげです。

いつも、本当にありがとうございます。

この冬も、お亡くなりになる子がたくさん、いらっしゃいました。
皆、よく頑張ったよね。
それぞれの年齢、病気、いろいろなものを抱えながらでしたが、皆精一杯自分の命を全うしていったと思います。
いつも、病気の子や寿命を全うしていく子たちをみて、この子たちは私たちにいろいろなことを気づかせるためにここに来たのだと、こころから思います。
私たちが自分の人生だけでは体験しきれない悩み・苦痛・葛藤・そして愛情をこの子たちは短いワン生、ニャン生の中で教えてくれているのだと思います。

もし、嬉しいこと、楽しいことだけだったら、私たちは学ぶでしょうか。
よりよく生きていくためにはどうしたらよいか、考えるでしょうか。
いつも元気で調子が良くて怖いものなしだったら、弱い者の痛みが、わかるでしょうか。

わたしたちはいつも、比べてばかりだと思います。
同じ歳のあの子のほうが元気だ、あの子はすぐに元気になったのにうちの子はなぜ病気ばかりなのだろう、なんでなんで・・・・

今一緒にいられることが幸せなのです。
明日の今頃は一緒にいられないかもしれない。
命の最期があるのは皆平等です。
ですから、ほかの子と比べず、その子をみてあげてください。
治らなくても、飼い主さんが笑ってくれているのが、動物たちにとっては一番の幸せなのではないでしょうか。
(もちろん、適切なケアを受けている場合です)

一緒に笑ってできる限り楽しく暮らすこと。
病気だけにとらわれず、ぜひそれを思いだしていただけたらと思います。

なんだかまた新興宗教みたいな記事?になってしまいました笑
私はとくにどこかの宗教や団体に属しているわけではないし、動物たちの「言葉」もわかりません(犬語、猫語のわかるコミュニケーション能力はないため)
でも、寿命を全うしていく子たちをみて、毎回、そのように感じます。

たくさんのことを教えてくれるどうぶつたちに感謝です。

ウィルどうぶつクリニックは、これからもどうぶつとの生活が少しでもラクに、楽しく、おだやかなものになるように、
私たちのできることでお手伝いしていきたいと思います。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。




2019年1月5日土曜日

過酷な年越し

2019年、始まりましたね。
12月は、通ってくれていた子達が相次いで亡くなり、忙しない中も切ない師走となりました。
改めて、虹の橋を渡って行った子達のご冥福をお祈りいたします。
皆、クリニックにも遊びに来てね…

訳あって大晦日まで仕事だったわけですが(夫は年末年始関係なくペットホテルの子達のお世話があるので、ずっと仕事でしたが)、
なんと大晦日の夕方から長女が嘔吐!次女が下痢……看病と片付けでてんやわんやの年越し。年末年始らしいテレビ番組など一瞬も見ることなく新年が明けました。
そしてそして、元旦から夫→私の順に嘔吐でダウン。夫は元旦診療、私は元旦夜間で急遽点滴まで受けてやっと回復する程の激しい嘔吐の症状で、夫は高熱の中ペットホテルのお世話に、私は吐きながら娘たちの世話に…と本気(と書いてマジと読む)でヤバい年末年始でした(;´д`)
ちなみに手伝ってくれていたばぁばももれなく感染させてしまいました(ごめん)

おかげさまで娘たちは元気(こういうのって、子供の方が免疫が強いんですって!)大人も胃がキリキリしながらも徐々に回復しましたが、もうしばらくお正月がなかった心の後遺症は残りそうです(笑)
1月は下旬にお休みをいただきます。

昨日から診療再開いたしました。
今年も、自分たちにできる精一杯のことを誠意をもって行っていきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

2018年12月4日火曜日

Google、Facebookの口コミにご協力ください

Google、Facebookのウィルどうぶつクリニックのページに、評価と口コミの投稿のご協力をお願いしております!

☆の数だけでも良いのですが、クリニックのご利用の仕方などを他のユーザーの方に知っていただくのが目的です。

もちろん☆がたくさんもらえたら嬉しいですし、良いことを書いていただけたら更に嬉しいですが、皆様がどのような目的でクリニックに通われているか、便利な点、不便な点、改善してほしい点などの率直なご意見を含めて、検索をかけた方に知っていただけたらと思っています。実際に来てくださっている方の声を増やしたいのです。

今まで、クリニックのウェブサイトやFacebook、Twitterなどを通して、当院が完全予約制で診療を行わせていただいていることは地道に告知してきましたし、クリニックの駐車場、入口にも予約制の札を貼っていますが、やはり他の病院さんがお休みの日などに、ご予約なしで突然ワンちゃんネコちゃんを連れていらっしゃる方がいらっしゃいます。

ご来院いただけるのは大変嬉しいのですが、来てくださっている方はご存知の通り、獣医師はだいたいご予約の方の診療か鍼灸か往診中なので、すぐに診てあげることができないことがほとんどで、申し訳ないのですがほかの病院さんを探していただくこともあります。

じゃあGoogleの検索に出ないようにすれば良いかというと、遠方から調べていらしてくださる方も多く、また、Googleの診療時間などは細かいカスタマイズができないので(本当は「不定休」のように表示したいのですが、現時点ではそれができません)非常に迷うところであります・・・

ですので、皆さんのお力をお借りしたいのです!
実は私はあまり口コミって書いたことがないのですが(なんか人を評価するみたいで緊張する。汗)病院やお店などに行くときに参考にすることはあります。皆さんはどうでしょうか?

病院やお店のサイトももちろんチェックすると思いますが、口コミもご利用されている方の意見なので、参考になることもあると思います(全く、参考にならないこともありますが・・・)

参考ですが、こんな感じはどうでしょうかということを書きます
例)
「遠方からですが鍼灸治療に通っています。かかりつけは地元にあります」
「予約制なので、いざという時は他の病院にも行けるようにしてありますが、基本的にはウィルに行っています」
「小規模の病院なので、できないことは二次病院等を紹介されますが、時間をかけて診察してくれます」
「トリミングに行っています。老犬だけどトリマーさんが一対一でやってくれています。その分時間はかかりますが、安心です」
など・・・ちょっと良く書きすぎですかね。笑

もし、
「こういうわけで通ってよかった」とか「こんな症状が良くなりました」とか、そういうことも書いていただけると励みになります^^(これはあわよくばです)

Googleは、全くこちらを利用されたことのない人でも、Googleのポイント集め?のために評価をつけてくることもあります。できるだけ、来てくださっている方の生の声を書いていただきたいのです。

口コミや☆の数は、途中で変更することもできます。
例えばもし今☆4つでも、「青木はアカンな」という状況になったら消していただいて結構です。

ネットはあまり得意ではない私ですが、皆様どうぞご協力お願いいたします!<(_ _)>
















2018年9月24日月曜日

おうちの子が病気や寝たきりのとき。

若くして、病気になる子もいる。どんなに治療を施しても、あっという間に亡くなる子もいる。
一方で、とくに気を遣ってもらっていないような生活をしている子でも、「病気ひとつせずピンピンコロリでした」という子もいる。歳をとって、寝たきりになって、それでも生きる子もいる。
病気かそうでないか、どれだけ長く生きたか、そういうところにばかり囚われてしまうと、おうちの子が、とても不幸に思えてしまうこともあるでしょう。
なんでうちの子が、こんなに大変な思いをしなくてはならないんだろう、うちに来なければもっと幸せになれたのではないかと思ってしまうでしょう。
(もしくは、ただ可愛がりたかっただけなのに、こんなに大変な思いをするなんて思ってなかった、という人間都合の考えをもっている人もいるでしょうが・・・)

どの子が一番幸せかなんて、私たちにはわかりません。
手をかけて心を尽くしていても、病気になるときはなるし、死ぬときは死にます。
ですから、今の状況下で、精一杯可愛がってあげて、食べられるものをあげて、その子なりに楽しくおいしく、その子の寿命を生き切ることを手助けしてあげること、それに尽きると思います。

何が正しいかなんて、時代にも、生まれた国にも、世間にも、家族によっても違います。
歩けなくなったら安楽死という国がある。
でも、歩けなくなっても元気で食べられて、カートでお散歩に行って、その子がイキイキした表情をしているならそれでいいじゃない、という人もいる(私です)。
人間が代わりにやってあげられる範囲を、人間の方が苦痛でなく破綻することなくやってあげられるなら、それで良いと思います。

幸運なことに、犬猫は、(人間ほどは)悲観的になることはありません。
もちろん生まれつきの気質(性格)はありますが、飼い主さんが笑顔でそばにいてくれたら、そして、適度にお散歩して、適度に食べられたら、きっとそれだけで十分幸せです。

病気の子の面倒をみていくことも、介助も介護も、「あなたならできる」と言われているから、そういう子がおうちに来るんだと思います。
それが神様なのか、自然の力なのか。それはその人の信じるものによりますが、必ずそういう力が働いていると思います。
そして、動物たちが自分たちの体をもって、短い寿命をもって、私たちに教えてくれることを、感謝の気持ちをもって学ばせてもらうことです。

これは、正答のない試験と同じです。
精一杯勉強してひねり出した自分の回答が、合っていたのか間違っていたのか、発表されることのない試験問題と同じだと思います。受験の場合は合否が出ますが、動物のお世話の場合はそれがありません。だから苦しくなることもあります。
でも、自分ができる限りのことをして試験に臨んだら、きっと合否がわからなくても、「自分はこれだけやった。やりきった」という達成感が残るでしょう。それは、他人から評価されなくても、自分の中には確実に残るもの。
そして、愛の心をもって動物のお世話をすれば、必ずそれは動物にも伝わります。「こんなにしてもらった。ありがとう。」という気持ちで過ごしていけるし、亡くなるときもそうでしょう。

もし一人で苦しくなったら、相談できる人を見つけてください。動物病院が一番の相談相手になれればよいですが、トリミングサロンでも良いし、ドッグトレーナーさんでも良い。そうでなければSNSでともに苦労している人を見つけて語り合うのもよいかもしれません。
ただ、SNS上の人たちは、ほとんどが、自分と同じ、「アマチュア」な人たちだということには注意です。中には自分の犬猫でうまくいったことを善、うまくいかなかったことを悪と、世界でも通用する基準かのように載せている人もいますから、信じすぎるのは要注意です。余計苦しくなってしまうことがあります。やはり、信頼できる専門家を探すのが良いと思います(それも、複数。)

私もこれから、ウィルどうぶつクリニックを「卒業」していった患者さん・飼い主さん(なんかAK〇みたい。笑)と、今まさに闘病中の飼い主さんたちをつなぐお手伝いができたらよいなぁと考えています。状況は違っても、きっと分かち合える気持ちがたくさんあると思います。

皆ができるだけ穏やかに、楽しく美味しく過ごせますように。


2018年8月15日水曜日

動物病院リテラシー?

皆さんは、どうやって動物病院を選んでいますか。
近いから。
やさしい先生がいるから。
専門性のある先生がいるから。
たくさん先生がいて、年中やっているから。
高級そうな検査機器が揃っていて、安心だから。

いろいろな理由があると思います。

私は、動物病院を選ぶ際に、いちばん大事なことは、「目が覚めていること」だと思います。
どういうことかというと、本当にその動物病院が、自分たちの家族に合っているかということに気付いているかどうか、ということです。

動物病院側からみても、患者さんたちの、動物病院リテラシー(動物病院を選び、活用する能力。と勝手に思いついた言葉)は様々です。
リテラシーの高い方々は、「いざとなったときはこの病院」「夜間に何かあったときはこの病院」「いつもの健康管理はこの病院」と、病院を上手に使い分けています。
ポイントは、自分たちの動物が飲んでいるお薬や受けている検査などについて、しっかりと理解していること。それぞれの病院で言われることが多少違っても、総合的に判断し、どこを自分たちの家族の基準にするのか自分たちで決めているということです。

そういう意味では、ウィルどうぶつクリニックに来てくださる方々は、「ちょっと変わった」方が多いかもしれません(失礼。笑)
動物病院なんていくらでもある地域で、うちみたいな小さな病院にかかろうと(しかも鍼灸治療を受けてみようと)思われる方ですから。笑

でもその中で、鍼灸を受けていても受けていなくても、元気でも病気があっても、若くてもお年寄りでも、どんな状態でも飼い主さんとおうちの子たちが良い関係で、できるだけ楽しく暮らしてほしいという想いを受け取ってくださる方が増えてきたなぁと感じていますし、それが私の一番やりたいことなので、とても嬉しいことです。

逆に、こちらにないものを強引に求めてくる方もいらっしゃいます。
診療時間外に、病院のドアをガンガン鳴らして「なんで空いてないのよ!!」という方。(いやぁ24時間は無理っすよ・・・)
どうしてもすぐには診られない、とご説明すると激高して「じゃあどうしろっていうの!!」という方。(他にも緊急対応が得意な病院さんはありますから・・・そして、たいてい急を要する状態ではない・・・)
こちらが何度もうちのシステムをご説明しても、こういう方はいなくなりません。
ただ、それは仕方のないことだと思っています。

私たちにはできないこともたくさんありますが、できることもあります。
それをご理解いただいた上で、ご利用いただきたいと思っています。
自分たちにできる分の精一杯で、動物たちの診療に当たりたいと思っていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


鍼灸って、知らないとなんだか胡散臭い、おまじないみたいな風に聞こえますよね。

そんなん効くの?って正直思っている獣医さんも、たくさんいると思います。
鍼灸治療を行って、皆さんそれぞれ良い変化が出たり、一般的に言うところの「治った」状態になったりしても、それを口でお伝えするのは難しい。
私から、「こんな状態の子がこんなに良くなったんです!」と言っても、自慢だったり、たまたまでしょうととられるかもしれません。

でも、確かに、鍼灸をして、良い状態を維持したり、お薬を減らせたり、穏やかに過ごせたり、そんな子たちがたくさんいるんです。
一番は、体験した方のお話を載せさせていただくのがわかりやすいかもしれませんが、私は実際に来ていただき、一緒に体験していただくのがやはり良いと思っています。

最近も、鍼灸治療を継続して行っていた子たちが相次いで虹の橋を渡っていきました。
余命がもう少し、という子たちは、鍼灸治療で、何かを治せるわけではありません。
それでも、呼吸が楽になったり、体の熱がすっと下がったようになったり、目の輝きが戻ったり、そういう小さな良い変化が起こるんです。
でもそれが、頑張っている子たちや、頑張って一緒に闘病している飼い主さんたちにとっては、大きな変化なんですよね。

そして、皆さん命の最期に向けて、心の準備をして臨み、全うさせてあげられた、と感じてくださることが多いと感じます。

鍼灸治療で、「この病気、私が治しました!」とか「私にしか治せません!」とおっしゃる先生もいるそうです。驚きです。
でも、鍼灸(中医学)って、本当は、主体は治療する我々ではなく、患者さんたちなんです。私たちがいくらお手伝いしても、生きよう、良くなろうとする意志がなければこちらが期待するような変化は見られません。
また動物の場合、動物の健康管理をするのは飼い主さんです。
後ろ脚が弱ってきた患者さんに鍼灸治療をしても、その後に飼い主さんがちっとも散歩に連れ出さない(リハビリをしない)、足腰の負担になっている重い体重を減らしましょうと言ってもカロリーの高いおやつばかりあげていてはどうでしょうか。良くなるものも良くなりません。
鍼灸はおまじないでも魔法でもない、その子の治ろう、良くなろうとする力を引き出す、お手伝いする治療法なのです。


毎回、治療させていただく子たちの命の全うの仕方は違いますが、どの子たちからも、いろんなことを教えてくれます。だから、みんな、ありがとう。という気持ちを忘れないようにしていきたいです。
そして、飼い主さんにも、最期は笑って、胸を張って見送ってほしいと思います。そのために、飼い主さんにも元気になってクリニックから帰ってほしい。
中医学で、「心身一如」という言葉があります。
心の元気がなくなれば身体の元気もなくなり、病になる。その逆もしかり。
それと同じで、飼い主さんと患者さんの状態もリンクすることがよくあります。
ですから、飼い主さんも、まずは自分が元気でいてください。それをおうちの子たちも望んでいると思います。

これを読んでくれている方やお家のどうぶつたちが幸せに暮らせますように。
亡くなった子たちの魂が安らかでありますように。