こんにちは^^獣医師の青木です。
3月から不定期で、鍼灸治療に関して 皆様から疑問やご相談を受けることが多い内容について記事を配信していきたいと思います。
私が学生の頃に中医学(中国医学)を志し、勉強を始めてから今月で満10年になります。
思い返してみると、当時大学でも東洋医学に関する授業など一切無い中で、研究室の研究よりも夢中になっていたのが懐かしいです(笑)
現在鍼灸治療を受けている患者さまも、受けていない方も、人も動物も共通の内容が多くなっています。
ぜひ読んでみてくださいね^^
第1回は「鍼灸治療はだれに必要か」です。
ご存知の通り、鍼灸(しんきゅう)は、
鍼(はり)とお灸(きゅう)を使って中国医学(正式には中医学と言います)を実践する治療法です。
詳しくは次回以降順にお話しようと思いますが、
かなり簡潔に言うと、鍼やお灸で「気」の流れを調節してあげる方法です。
治療を受けたことのない人は、「気」なんて聞くと、そんなのおまじないのようなものなんじゃないの?と思われるかもしれません。
ですが、鍼灸こそ、現代の医療に必要なものだと私は強く思っています。
そして、極論な言い方ですが、鍼灸の必要のない人や動物はいない、と言っても過言ではないと思います。
だれでも、
「病院に行くほどではないけれど、今日はなんとなく調子が悪い」
とか
「私はずっと冷え性で」
とか
「緊張したりストレスを感じるとすぐにお腹にくるんです」
というようなことがあるでしょう。
それを放っておいても特に生活に支障がでるほどではないかもしれませんし、
気づいたら何もしなくても良くなっている、ということもあるかもしれません。
それは、私たちのからだに、いわゆる「自然治癒力」というものがあるからです。
からだが良い状態を保てるように、意識しなくてもバランスをとってくれる力です。
それが、個人(個体)のからだの中でバランスをとりきれなくなったとき、いよいよ外からの手助けが必要になる「病気」という状態になるわけです。
ただし、一般的な医療(西洋医学)で検査をしても、なかなかはっきりした原因がわからない、データ上は問題ないのに不調だ、という状態もあると思います。
中医学ではそれを「未病(みびょう)」と呼びます。
こういった不調は、わたしたちのからだからの、
「ちょっとバランスが崩れています。何かしらの対処が必要です」
という「お知らせ」です。
もし、お薬を飲んで、すぐに良くなる軽い不調だったら、それでも良いでしょう。
ただ、お薬を切れない、切ると調子が悪くなる、そういう時は、どうしたらよいでしょうか。
そんな時に鍼灸治療の出番です。
鍼やお灸でツボ(経穴)に刺激を加え、からだの中の「気」というエネルギーを動かしてあげます。
「通即不痛」「不通即痛」(気が通っていれば痛みは感じません、気がかとっていないと痛くなります)という中国の言葉がありますが、まさに、気の流れを良くしてあげるのが鍼灸の目的なのです。
ですから、からだからのお知らせに意識を向けて、もし、どこか不調があったら、何かしらの手助けをしてあげる。
それが鍼灸でも良いし、整体でも良いし、適切な運動でも良いし、もしかしたら気晴らしや十分な睡眠だけでもからだに与えてあげるだけで良くなるかもしれない。
そんな風に、自分には何が合うのか、どこが弱いのか、自分のからだとこころの歴史を振り返り、向き合っていくのが中医学だと思います。
鍼灸がだれにでも必要と言ったのはそういうわけです。
とくに動物は、
自分で「ここが具合が悪い」「今日はけっこう調子が良いんだよ」など言えないので、検査検査、お薬お薬・・・となりがちです。
もちろん、必要な検査やお薬はあります。適切な医療を受けるために大切なことです。
ただ、具合がすこぶる悪くなってから(つまり、自分だけではもうどうしようもないくらいバランスがとれなくなっている状態から)治療を受けるよりも、
日頃から積極的に気の流れを良くしてあげたり、弱い所を補ってあげる方がどうぶつにとっても健康的ではないでしょうか。
とくにどうぶつは人よりも寿命が短く、はやく歳をとっていきますので、鍼やお灸のようなやさしい治療は向いていると思います。
中でも高齢のワンちゃんネコちゃんは、放っておけばどんどん「気不足」という、エネルギー不足になっていきます。
鍼灸は治療ですが、施術する方が「治してあげる」という上から目線なものではなく
「手助けしてあげる」という、なんというか、そっとしたものだと私は思います。
ですから、治療に対する反応もその子その子によって違います(これはまた次回以降にお話しします)
わたしはこれからも、「元気でいようとするどうぶつのお手伝い係」でいられたらいいなぁと思っています。
私なぞ中医学の奥の深さに足を踏み入れたほどのまだまだの状態ですが、これからも勉強し続けようと思っています^^
日々進化を心がけていますので、ブログの内容も、少しずつ言葉が変わっていったりするかもしれませんがそこはご容赦くださいね。
次回は「鍼灸って本当に効くの?!」です^^
お楽しみに♪
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