ウィルだよ!

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2019年5月31日金曜日

ウィルどうぶつクリニックの鍼灸ブログ 第二回

こんにちは!

4月5月はクリニックにたくさんの方々が来てくださり、毎日てんやわんやでなかなかSNSなどもアップできず・・・

3月に第一回目を配信しました「ウィルどうぶつクリニックの鍼灸ブログ」
やっと第二回を書くことができました(;^_^A

第二回目は
「鍼灸って本当に効くの?」
です。

結論から申し上げますと、「効きます」。

・・・と言われても、「何に?」ってなりますよね(笑)

そうなんです。
これは、皆さんが鍼灸に求めていることが何かによって、答えが変わってくるんです。

動物の鍼灸治療というと、
「椎間板ヘルニア」とか「腰痛」とかを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

たしかに、鍼灸治療はこういったものにはよく「効きます」。
もしかしたら、
「鍼灸治療でこんなに良くなりました!」という
ミニチュアダックスちゃんのビフォアー(両後肢麻痺で歩けない様子)⇒アフター(元気よく走っている様子)の画像や動画などをネットやテレビなどで見たことがある人もいるかもしれません。

たしかに、ミニチュアダックスさんたちの椎間板ヘルニアには、鍼灸治療が良く効くように思います。
クリニックでも、今まで何頭もミニチュアダックスの子たちが後肢麻痺や腰痛で鍼灸を受けてくださりましたが、ほとんどの子が良くなってくれました。

そういう情報で、「鍼灸で治る!」と思われてご来院される方もいらっしゃるので、
私は必ず前もって、
「どんな症状も病気も、鍼灸で完全に元通りに戻すわけではありません」
「ですから、〇〇回で良くなりますとか、はっきりしたことは言えないんです」
という旨を伝えさせていただいています。

どういうことでしょうか?

前回、第一回のブログで、「鍼灸の究極の目的は気の流れを調(ととの)えること」と書きましたが、
鍼灸というのは、「患者さんの持っている気の流れを調整してあげることで、患者さんが自ら元気になるのをお手伝いする」方法なのです。

もし、長患いをしたりしていてものすごく「気」を消耗してしまっている場合は、
食事や漢方なども併せて、気を補ってあげること、そして鍼灸で気を巡らしてあげることで、ようやく見た目も元気になってきます。
ただ、それには時間がかかる場合もあります。

鍼灸でせっかく気の流れを良くしたとしても、良くない生活習慣(ワンちゃんの場合は、例えば食べすぎ、過度な偏食、運動を全くしない、フローリングの上で滑っている等)を続けていれば、またからだは元の状態にすぐに戻ってしまいます。


また、鍼灸を受けに来てくれる子たちの多くは高齢のことが多いので、
高齢のワンちゃんネコちゃんたちは、私たちが思っている以上に速いスピードで歳をとっていきます。
その中で鍼灸をして、少し調子を上げてあげられても、何もせずまた1か月、2カ月と過ごしていたら身体はどんどん歳をとっていますので、また不調が出てくるでしょう。


ですから、
鍼灸というのは施術者におまかせして「元気にしてもらう」治療法ではなく、
「自分で自分のからだを維持するためのお手伝い」なのです。
(鍼灸を行うペースなどについては次回お話します)

そんな中でも、今まで鍼灸治療をしていて、こちらも信じられないような効果をみせてくれる子たちもいます。それも、少数でなく。
例えば、

・後ろ半身麻痺だったのが、3回くらいの鍼灸治療で歩けるようになった(早い子だと1回でも立ち上がり始める)

・四肢麻痺だったのが、立って歩いたり走ったりできるようになった

・全く食欲がなかったのに、鍼灸をしたらどんどん食べ始めた

・西洋医学的な検査では何も悪いところがないのに吐き続け、どんどん痩せてきたが、鍼灸を始めて体重も増え、毛艶も良くなった

・毎年皮膚のかゆみで抗生物質やステロイド漬けだったのが、鍼灸と漢方で維持できている

・膝関節や股関節の脱臼で度々歩けなくなっていたが、鍼灸をしてから快適に歩けている

・寿命が近づいている子たちで、鍼灸をしたら不整脈や呼吸の乱れが落ち着いた

などの効果を、私も体感しています。
動物の不思議なところで、鍼灸に対する反応がとても良いのです。

もし、16歳のボーダーコリーの子が、
椎間板ヘルニアや股関節形成不全、膝関節の関節炎などで、何度も立ち上がれなくなったところを鍼灸で治療し、
そのたびに立ち上がれるようになったとしたら、どうでしょうか?
もし人に例えたら、90歳以上のおばあちゃんが足が痛い痛いと泣いて立てなくなったけれど、
1回の鍼灸でまた立ち上がれるようになり、歩き始めたようなものです。けっこうミラクルですよね。笑

なんでも人に例えるのはいかがなものかとは思いますが、実際にこういうことが起こっています。

ただ、そのようなミラクルは私が起こすわけではなく、古来から伝わる叡智の結晶である中医学と、連れてきてくださる飼い主様たちと、がんばっている動物たちの息がぴったり合ったときに起こるのだと感じています。

鍼灸は、決して不老不死の薬ではありません。

本当は、皆同じくらい元気にしたり歩けるようにしたりしてあげたいけれど、悔しいことにやはり個体差があります。
私の施術でうまくいかなければ、他の先生を探してもいい。
鍼灸でなくても、他の方法で元気になれるなら、それでもいい。

でも、鍼灸が、診断と手技を間違えさえしなければ絶対良いものであるという自信があるからこそ、
1日にできる件数は限られてしまいますが、ご予約制にして時間を十分にとって施術しています。
そして、日々の治療が私の修行の場でもあり、いつも、「良くなってね」という気持ちで行っています。

鍼灸の効果、少しでも伝わったでしょうか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は、「鍼灸を始める最適な時期・ペースは?」です^^

また読んでくださいね☆


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