私の愛犬であり、クリニックの看板犬であり名誉院長であったウィルが、一昨日亡くなりました。
10歳でした。
最期の2週間は、毎日朝昼晩尿道にカテーテルを入れておしっこを出してあげて、でも自分でも出すぞーって力んだりできて、
亡くなる前々日まではお母さんの手作りご飯を自分から食べたり、笑ったりできて、
前日はフラフラしながらも自力で車に乗り込んでクリニックに出勤して、
帰りも「お家帰ろう」って言ったら、何とか立ち上がって車に乗り込んで、帰ってきました。
最期は、お母さんと、旦那さんと、私と、3人で看取れました。
こんなに、きれいなまま、可愛いまま、自分の命を一生懸命駆け抜けていった子を、私は見たことがありません。
もう長くないとわかってはいたものの、なんとか少しでも楽になってほしいと、毎日鍼やお灸をしました。お灸をすると、ふーっとため息をついて、ほっこりした表情になりました。
大好きなチーズも、人用のものはほんとはダメなんだけど、たくさんあげました。嬉しそうに食べていました。
だんだんお腹が大きくなってきた私を、これ以上疲れさせないように、闘病生活を短くしてくれたのかもしれないね、と母が言ってくれました。
「志織ちゃん、今日もちゃんと診察に行ってきてね」というように、朝早く、私たちの見守る中で息を引き取りました。
最期まで、良い子でした。
本当は、もっと一緒にいたかった。
生まれてくる子にも、会ってほしかった。
でも、一緒に過ごしてきた10年間は、私にとって本当に素晴らしく、教えてもらうことがたくさんたくさんあった、何物にも代えられない10年間でした。
もっと早く気づいていてあげたら違ったのかとか、
いつも、診察の一番あとになってしまってごめんね、とか、
自分が獣医として非力だったからなのか、とか、
考えてしまうこともたくさんあります。
でも、自分にできることは全部してあげたし、
ウィルもきっと、最期のときをクリニックで一緒に過ごせて、治療も全部私がしたことを誇りに思ってくれていると思います。
今はもう、涙しか出てきません。
でも、ウィルがいたからこそ私は小動物臨床に進もうと思えたのだし、
ウィルのためにと思ったからこそ、鍼灸の道に進んできたのだし、
ウィルがいたから、自分のクリニックを開こうと決意できたのでした。
だから、毎日のお仕事は、ウィルのためにも笑顔でしたいと思っています。
ウィルを可愛がってくれた皆さん、本当にありがとうございました。
お見舞いに来てもらったり、お見舞いのフルーツをいただいたり、こんなに幸せな子はいません。
これからもウィルは、クリニックの看板でニコニコ皆さんをお迎えし続けます。
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