ウィルだよ!

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2014年9月9日火曜日

鍼灸をやっていて良かったと思うとき

今日、老犬クリニックに毎日新聞の記者さんが老犬についての取材に来ました。
私の鍼灸をしてるところも写真に撮ってくださったので、
もしかしたら、私もそのうち手くらい載るかもしれません(笑)

はじめ、老犬とは?から始まり、老化のサインや老犬が気をつけたい病気などの話から、では実際の治療を見てみましょうとなり、

少し鍼灸治療についても私からお話させていただきました。

記者さんも、頭の中が飽和状態になっていそうなお顔でしたが
(「犬に鍼灸…?」というかんじ。笑)、真剣に聞いてくださっていました。
協力してくださった患者さまが施術中気持ち良さそうに寝そべっていてくれたので、良いものなんだな~!と納得されたご様子で、次々と質問をしてくださいました。


鍼灸(中医学)って、プチ贅沢とか、ただリラックスするのが目的ではではなくて(リラックスするのも重要な要素ですが)、治療の一方法なのです。
老犬だけでなく、どんな年齢の子でも(もちろん猫ちゃんでもウサギさんでも…)、生まれ持った体質や、慢性的な病気と闘っている子たちも対象です。

それが一般的な治療法とは根っこにある学問が違うので、ちょっととっつきにくいかもしれないけれど、

その子の持っている力を引き出してあげたり、背中を後押ししてあげる方法なので、
謙虚で写真映えもしないけれど、身体にやさしい。そんな方法です。

今日もうひとつ、鍼灸をやっていて良かったなぁと思えることがありました。

亡くなった患者さまの飼い主さまが、わざわざクリニックにご挨拶に来てくださったのですが、
数回鍼灸をさせていただいた短いお付き合いだったにも関わらず、
「素晴らしい治療をしてくださってありがとうございました」

と涙ながらにお話してくださったことです。
最期まで自分の脚で歩けていた、と、嬉しそうに報告してくださいました。

最期の日に写真館で撮られた写真も見せてくださいました。


私の行っている鍼灸の治療法は、お師匠様たちがそのさらにお師匠様から受け継いだもので、私はその流れのすみっこにいるに過ぎません。

それでも、そんな風に、素敵なご家族とわんちゃんの最期の大事なときに

少しでも力になれたのなら、師匠たちの教えを少しは実践できているのかな、
とても嬉しく思います。
めげずに鍼灸を続けてきて良かったと、報われる思いです。


そして、やはり獣医が病気を治すのではなく、どうぶつがその病気と闘うお手伝いをするものなのだな、と改めて思いました。

そのご家族の素晴らしいところは、最期の瞬間まで、

その子が尊厳ある死を迎えられるように、ご家族でどうするか話し合い、それを貫いたところだと思います。

私は、どうぶつを大事にする人たちと、ご縁のあったどうぶつたちの、

少しでも心に残る獣医さんになりたいです。

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